こんにちは、KOHです。
今回は「dBpoweramp」というリッピングソフトを使って、音楽CDをハイレゾ化して取り込む方法についてご紹介します。
リッピングするフォーマットは、下記の2種類です。
- WAVファイル(96kHz/24bit)
- FLACファイル(88.2kHz/24bit)
それでは早速やっていきましょう。
WAV・FLACファイルでサンプリング周波数が異なる理由
<2016/5/7 追記>
この理由について、いくつかお問い合わせを頂きましたので、追記させていただきます。
WAVファイルの場合
WAVファイルは、リッピングする際に「サンプリング周波数」と「量子化ビット数」をそれぞれ下記のように設定できます。
・サンプリング周波数 (kHz): 8 / 11 / 12 / 16 / 22 / 24 / 32 / 44.1 / 48 / 96 / 192
・量子化ビット数 (bit): 8 / 16 / 24 / 32
この中から、DVDオーディオのフォーマットである、「96kHz/24bit」を選択しました。
FLACファイルの場合
FLACファイルは、「DSP」で設定しない限り、「44.1kHz/16bit」でリッピングされます。
「DSP」の設定では、サンプリング周波数をCD(44.1kHz)の2倍である「88.2kHz」に設定できます。
アップサンプリングする場合は、通常、整数倍にした方が再現性が良いと言われております。
(私の場合、音の違いや理論はあまりわかっておりません・・・)
よって、FLACファイルの場合は「DSP」の設定で「88.2kHz/24bit」でリッピングしております。
dBpowerampのインストール・初期設定手順はこちら
リッピング手順
WAVファイル(96kHz/24bit)
1.「dBpoweramp CD Ripper」を起動し、初期画面を開きます。
3.トラック数や時間が表示されたら、「Meta」をクリックします。
4.下図のようにCD情報が表示されます。
うまく表示されない場合は コチラ をご参照ください。
5.Rip to を「Wave」にし、「Unconpressed」のビットとサンプリングを選択します。
今回は「24bit」、「96KHz」を選択しました。
6.Path で保存場所を選択します。
今回は「Desktop」を選択しました。
8.取り込みが完了すると下図のように表示されますので、「OK」をクリックします。
9.取り込んだファイルが指定通りできていることを確認します。
プロパティを開くと確認できます。これでWAVファイルのリッピングは完了です。
FLACファイル(88.2kHz/24bit)
1.「dBpoweramp CD Ripper」を起動し、初期画面を開きます。
3.トラック数や時間が表示されたら、「Meta」をクリックします。
4.下図のようにCD情報が表示されます。
うまく表示されない場合は コチラ をご参照ください。
5.Rip to を「FLAC」にし、「DSP」をクリックします。
6.「Add DSP/Action」をクリックし、「Add DSP Effect」→「Resample」の順に
選択します。
7.Resample ~ は「88200」を選択し、「OK」をクリックします。
8.「Add DSP/Action」をクリックし、「Add DSP Effect」→「Bit Depth」の順に
選択します。
9.Fixed Bit Depth をクリックし、「24 Bit」を選択します。
Apply Dither は「(none)」を選択し、「OK」をクリックします。
10.「DSP」の欄に「Resample」と「Bit Depth」が表示されていること確認します。
11.「Encoder」をクリックし、「Lossless Level 5 (Default)」を選択します。
ここではFLACファイルの圧縮率を設定できますが、特に指定がなければデフォルトの
ままにしましょう。
12.Path で保存場所を選択します。今回は「Desktop」を選択しました。
14.取り込みが完了すると下図のように表示されるので、「OK」をクリックします。
15.取り込んだファイルが指定通りできていることを確認します。
プロパティを開くと確認できます。これでリッピングは完了です。
曲名がうまく表示されない場合の対処法
曲名が こんな感じ で表示される場合があります。
そんな時は下記の手順で修正できます。
1.「Meta」の右横にある「▼」→「Review Perfect ~」をクリックします。
2.うまく表示されていないタイトルを確認し、きちんと表示されているデータベースを
クリックします。今回は「freedb」を選択しました。
3.「freedb」のCD情報が左の欄に上書きされたことを確認します。
確認できたら「OK」をクリックします。これでタイトルの修正は完了です。
データ比較
「dBpoweramp CD Ripper」で生成したWAVファイル・FLACファイルを、サンプリング周波数ごとにそれぞれ音質・サイズ・周波数特性を比較してみました。
■WAVファイル
・44.1kHz/16bit
・96kHz/24bit
・192kHz/32bit
曲目は「BAD COMMUNICATION -ULTRA Pleasure Style-/B’z」です。
選曲理由はシンバルの音が多い、ギターのコード弾きの箇所の音の広がりがわかりやすい、
B’zが好きなどがあります。
音質
違いがわかりやすかった点について、WAVファイルをサンプリング毎に評価しました。
■シンバルの残響<MIN(荒い)←→MAX(細かい)>
・44.1kHz/16bit: MIN ■■■□□ MAX
・96kHz/24bit: MIN ■■■■■ MAX
・192kHz/32bit: MIN ■■■■■ MAX
■ボーカルのリアルさ<MIN(あいまい)←→MAX(リアル)>
・44.1kHz/16bit: MIN ■■■□□ MAX
・96kHz/24bit: MIN ■■■■□ MAX
・192kHz/32bit: MIN ■■■■■ MAX
■ギターの広がり<MIN(狭い)←→MAX(広い)>
・44.1kHz/16bit: MIN ■■■□□ MAX
・96kHz/24bit: MIN ■■■■□ MAX
・192kHz/32bit: MIN ■■■■■ MAX
音の広がりや高域についてはCD音質(44.1kHz/16bit)との違いを把握できました。
シンバルの残響は比較的わかりやすく、「96kHz/24bit」以上のほうがきめ細かくなった印象で、聴いていて心地いいと感じました。
しかし「96kHz/24bit」と「192kHz/32bit」についてはほぼ僅差で、「違っている気がする」程度です…。私は「96kHz/24bit」で十分だと感じました。
容量
WAVファイル・FLACファイルをサンプリング毎に容量を比較しました。
■WAVファイル
・44.1kHz/16bit: 63.9MB
・96kHz/24bit: 208MB (WAVファイル(44.1kHz/16bit)の約3倍)
・192kHz/32bit: 556MB (WAVファイル(44.1kHz/16bit)の約9倍)
■FLACファイル
・44.1kHz/16bit: 51.6MB(WAVファイル(44.1kHz/16bit)の約0.8倍)
・88.2kHz/24bit: 74.9MB(WAVファイル(44.1kHz/16bit)の約1.2倍)
やはり「WAVファイル(192kHz/32bit)」の容量が大きいですね。
しかし「FLACファイル(88.2kHz/24bit)」はそこまで大きくない印象です。
このサイズならポータブルオーディオでの運用もなんとかできそうですね。
音質に比例して容量も上がっていくので、PCで聴くか、ポータブルオーディオで聴くかによってバランスを考える必要がありそうです。
周波数特性
WAVファイルの周波数特性をサンプリング毎にキャプチャーしました。
44.1kHz/16bit
96kHz/24bit
192kHz/32bit
それぞれカットオフ周波数まで再生されていることがわかりますね。
ファイルの整合性はこれで確認できました。
まとめ
今回は「dBpoweramp」を使って音楽CDをハイレゾ化して取り込んでみました。
やはりCDからハイレゾ化した状態で直接FLACファイルにできるのが非常に便利です。
今までは、CD→WAVファイル→WAVファイル(ハイレゾ化)→FLACファイル(ハイレゾ化)
という流れだったので、二手間なくなってサクサクリッピングできます。
しかもハイレゾ化させたほうが高域のきめが細かく、聴き心地が良かったです。
私にとってはCDから一発でハイレゾ化できて、なおかつ音質向上も図れるので非常にありがたいソフトです。
Exact Audio Copy(EAC)を使われている方も、一度この「dBpoweramp」を使ってみて欲しいですね。(今までEACで取り込んだCDを「dBpoweramp」で取り込みなおそうかな・・・)
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コメント
元の音源が44.1kHz/16bitなのにも関わらずフォーマットを拡張しただけで本当に音質が変わるのですか?
この記事を何度読んでも納得出来ません…。
>エールさん
コメントありがとうございます。
恐らくディザリングなどの処理を行い、よりアナログ信号に近づけているとは思いますが、
実際に音質が変わっているかどうかはご自身の耳で確かめられるのが一番だと思います。
「dBpoweramp」は無償試用期間がありますので、ぜひ聴き比べてみてください。
KOHさん
基本的な質問ですが、現在CDの取り込みには通常のDellのデスクトップPC付属のものを使っていますがUSB外付けのPioneer等のCDの方が音質、安定性共に良いのでしょうか。
デジタルデータなので変わるはずないとの意見もNETで眼にしますが。
ご指導よろしくお願いいたします。
>草野さん
コメントありがとうございます。
返信が遅くなり、申し訳ございません。
Pioneerの光学ドライブは読み取り性能が良いので、より正確性の面で有利かと思いますが、先ほどメッセージでも申し上げたように、Accurate Ripという機能がリッピングソフトにありますので、おそらく問題ないと思います。
読み取り性能が良くないために、データの整合性がとれないということも可能性としては考えられますので、不安な場合はPioneerを選んだほうが良いと思います。
よろしくお願いいたします。
基本的なお尋ねを致します。
現在、dBpoweramp ソフトの購入手配中で、今週末に入荷します。
上記手順の Flac 例題では96kzではありませんが、古いCD 44.1kz/16bit から Flac 96kz/24bitへのリッピングは問題がありますか?
Flac の場合は、88.1kz を推奨される理由が何かありますか。
よろしくお願い申します。
追伸、お尋ねの内容で文章後半の記述、Flacの場合は、「88.1kzを推奨」とあるのは誤りで、88.2kzが正しいのです。お含み下さい。
申し訳ありません。
>京都の音楽ファンさん
コメントありがとうございます。
ご質問の件について、以前からいくつか問い合わせがありましたので、本文の方に追記いたしました。
FLACファイルの場合は、WAVファイルのように「Encoder」タブから設定できないので、「DSP」の設定から行うようにしました。
また「DSP」の設定には、サンプリング周波数を「88.2kHz」(CD(44.1kHz)の2倍)に設定できるので、そちらを採用したという流れです。
よろしくお願いいたします。